J.YOSHIDA CLINIC

No.20私が肌再生医療に
FGF(成長因子)を
使用しない3つの理由

こんにちは。
J.YOSHIDA CLINICの吉田です。

今回は以前書いたFGFの効果や安全性に関するまとめとして、私がFGFを絶対に使わない理由を挙げます。

まず、FGFを投与しても肌は再生しません。

確かにFGFによって血管の細胞や線維芽細胞は、急激にその数を増やして毛細血管やコラーゲンを作り、その結果肌にハリが出ますが、増えた毛細血管も増えたコラーゲンも長くは続かず、徐々に萎縮してしまいます。その期間は半年から1年、長い人でも2年程度でしょう。それが創傷治癒というしくみの流れなのです。

それから、FGFを投与しても肌の細胞にとって良いことは一つもありません。

問題はFGFによる細胞の変化です。一時的に増えることは増えますが、最終的には線維芽細胞は以前より元気になることもなければ、以前より多くなることもありません。むしろその逆です。FGFによって細胞を消耗させ、あるいは細胞を消費して、まがい物の一時的な肌のハリを手に入れているだけです。

肌を本当の意味で若い状態に近づけるためには、正常な「細胞×コラーゲン共同体」を再構成する必要があります。もちろん細胞は元気なほうが良いですし、コラーゲンも正常な形のものがたくさんあるほうが良いのですが、大事なことは細胞とコラーゲンの両者がお互いにしっかりと影響し合う共同体づくりです。

創傷治癒を利用した治療は、コラーゲンはできるかもしれませんが細胞が弱ってしまいますので、皆さんは若い状態に戻しているつもりでも、実は少しずつ逆の状態へと進めていることに他なりません。

そして最後に、FGFといえばやはり「しこり」の問題です。

しこりとは無駄に多いコラーゲンのかたまりです。FGF注入はしこりを作りやすい治療です。少なくとも皆さんが思っている以上に被害は多いと思います。しこり以外にも、肌が不自然に膨れてしまったという被害も出ています。これも本来は薄い皮膚であるべき部分が、FGFによって無駄にコラーゲンが増え過ぎた結果、変に厚みが出てしまって生じる肌の変形です。

そもそもこの人工のFGFは美容目的で開発されたものではありません。なかなか治らない床ずれや火傷による皮膚潰瘍に対して、肉を盛り上げ傷を閉じるためのものです。それも注入ではなくスプレーでの投与しか国も製薬会社も認めてはいません。

ちなみに、傷を閉じると言っても元どおりの体や肌に回復(再生)するのではなく、傷が閉じたあとには大きな傷跡、つまり元の健康な肌とは違うものが永久に残ることになります。

話を元に戻します。

もちろん、注入の方法や量をいろいろと検討して、しこりが出ないように工夫しているドクターもたくさんおられますが、それでもしこりや膨らみの発生事例は後を絶ちません。方法や量によってトラブル(副作用)が出るというのは普通の薬と全く同じです。薬で肌の細胞をコントロールしているだけだということをしっかり認識して、再生などという言葉に騙されないようにすべきです。FGF注入は細胞の自然な働きによる治療ではありません。

以上のような理由で、私はFGFの単独注入はもちろんのこと、肌再生医療とFGFの併用も絶対に行いません。当院だけでなくこれまで他院で私が担当してきた患者さんには一切使用していません。強制的に細胞の働きを左右するものは排除し、細胞だけをそのまま定着させて、あとは彼ら(もしくは彼女ら)の自律的な働きに任せる、これが最も安全で自然な結果が得られる唯一の方法だと考えています。

  • 追記(2015/9/15)
  • 私は肌の治療を行うようになった当初から(他のクリニック勤務時代から)一貫して「FGF不使用」ですが、その私が最も長く肌再生医療を行っている方のインタビュー記事を掲載しました。
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