(11)肌再生医療にシミを改善する効果はあるのか?

院長コラム

肌再生医療にシミを改善する効果はあるのか?

こんにちは。
J.YOSHIDA CLINICの吉田です。

「肌再生医療でシミは取れますか?」
よく聞かれる質問ですが、いつも次のように答えています。

シミを完全に取り除きたいのであれば、レーザーを使ってシミの原因であるメラニン細胞とその周辺の表皮細胞を焼いてしまうしか方法はありません。

それ以外でよく行われている方法としては、フォト(光治療)やケミカルピーリング、レチノイン酸、ビタミンCやハイドロキノンなどがありますが、それらはシミを薄くする効果があるだけで、しかも一時的なものです。何故なら根本原因である細胞が手付かずのままだからです。

肌再生医療はレーザーのように細胞を破壊することは一切ありません。従ってフォトなどと同様、シミを無くす効果はありません。そもそも肌再生医療は皮膚の構成要素である表皮と真皮のうち、より深い層である真皮の中に細胞を移植する治療であって、ビタミンCやフォトなどのように表皮に直接作用する治療ではありません。

ですが、肌再生医療を行った肌は色が明るくなり、シミが薄くなることが多いのです。いったい何故でしょうか?

シミの色はメラニン色素が合成されるスピード、そして表皮のターンオーバー(表皮細胞が角質に変化し、脱落していく新陳代謝のこと)のスピードと相関があります。若いときはどんどん細胞が角質になって落ちていくため、絶え間なくメラニン色素が合成されていても色素が表皮内にとどまりにくい状態になっています。それが年齢とともにターンオーバーのスピードが遅くなるため、色素の「洗い出し」が進まず表皮内に溜まるようになります。それがシミが濃くなる一番の理由です。

フォトやピーリングは古い角質を落とす作用によって、角質ごと溜まっている色素を除去することでシミを薄くします。レチノイン酸はターンオーバーのスピードを極端に速める作用があり、洗い出しが進むことでシミを薄くします。ビタミンCやハイドロキノンは細胞のメラニン合成を抑える働きがあります。また、ビタミンCにはすでにできてしまった色素の色を薄くする作用もあります。

肌再生医療によって真皮に元気な細胞が増えると、それらの細胞の働きによって表皮細胞も元気になります。その結果、低下していたターンオーバーのスピードが正常化して、レチノイン酸のような極端な変化ではなく、自然なスピードでの洗い出しが進むと考えられます。その結果徐々にシミが薄くなってくるわけです。

極端ではない自然なスピードの良いところは、表皮細胞がゆっくりと角質に「成熟」するため、十分な保湿成分を含んだ角質になるということです。ターンオーバーが早すぎるとそれがうまくできず、皮膚表面は乾燥して粉をふいたようになります。ちなみにターンオーバーが遅い場合も、いつまでも乗っかったままの角質から水分が失われるため乾燥した表面になります。自然なターンオーバースピードであること、これが肌再生医療を受けた肌がしっとりとする理由です。

早すぎず遅すぎず、何事も適度で自然な状態が一番です。