J.YOSHIDA CLINIC

No.13FGFもPRPも再生医療とは
呼べない?(中編)

こんにちは。
J.YOSHIDA CLINICの吉田です。

前回は再生医療と呼ぶためには、それが復元治療であり、細胞を原材料として新たに組織や臓器を生み出す技術を伴う、というお話でした。

ではFGFやPRPを注入した肌の中で起きていることは何でしょうか。減った細胞が増えるから、減ったコラーゲンが増えるから、肌のハリが回復するから、だから再生医療だ…と言ってしまって良いのでしょうか?

肌の衰えは肌を作り出している線維芽細胞の老化が原因です。老化した細胞が増えることで、肌のコラーゲンが減ってハリがなくなる、線維芽細胞と密な連携をとっている表皮の細胞も元気がなくなる、といったことが起こります。

従って肌の衰えの根本治療は、肌の中の線維芽細胞の若返りを図り、細胞の持つ様々な働きを以前のレベルに戻すことになります。しかも、人為的に薬剤などを加えて一時的に細胞の働きを「高める=活性化する」のではなく、平時(=普段)の細胞の働きを、まだ肌が衰えていなかった頃のレベルに回復する必要があります。この違いは非常に重要なのですがおわかりいただけますでしょうか…?

衰えた細胞を人為的に活性化して一時的にコラーゲン合成を高めるのと、普段から活動レベルの高い若い細胞に長期的にコラーゲンの管理を行わせるのとでは、その持続期間も改善パターンも、そして治療によるトラブルの発生頻度も異なってきます。

FGFというのは正確に言うと、本物のFGF(細胞が分泌するbFGFというタンパク質)を人工的に合成したいわば薬剤です。PRPは血小板の中の多種多様の物質(血液を凝固させる物質、炎症を引き起こす物質、細胞を増やす物質、コラーゲン合成を調節する物質など)を高濃度にして肌の中に放り込む治療です。

FGFやPRPを注入すると確かに細胞の数は増えます。ですが、細胞が若返ることは絶対にありません。細胞の増加や活性化と細胞の若返りとは何の関係もないのです。むしろ分裂すればするほど細胞の老化は進みます。強い炎症も細胞の老化を引き起こします。つまり、これらの治療は細胞を若返らせて肌の若返りを図っているのではなく、別の方法で肌のハリを出そうとしているわけです。細胞の老化という観点から見れば、細胞の老化が進むわけですから、再生(復元)ではないように思います。

再生医療は復元治療です。もし治療によって5年くらい前の肌になるというのであれば、治療前の状態に戻るのに同じ5年はかかるはずです。ちなみにFGFやPRPの効果の持続期間は半年から1年程度だと言われています。見た目は5年くらい若返ったのに、半年~1年くらいで元に戻るというのであれば、それは本当に若返ったのではなく、何らかの「からくり」で若返って見えているだけです。本質的な、以前(もう少し若い頃)の肌の復元ではなく、言ってみれば細胞の若さと引き換えに短期間の効果を手に入れているだけなのです。

そして私は「FGFやPRPで肌のコラーゲンが再生する」というところにも、皆さんが思っていることとは大きな違いがあるようい思います。(つづく)

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