J.YOSHIDA CLINIC

No.22創傷治癒による
アンチエイジング治療では
肌は再生しない

こんにちは。
J.YOSHIDA CLINICの吉田です。
最近あまりに忙しくて、久しぶりの更新になってしまいました…(汗)

昨日、日本鍼灸療術医学会のセミナー講師の一人として、「創傷治癒が肌にもたらすもの」というタイトルでお話をしてきました。この医学会の会長の立花氏は、私が恵比寿に開業して以来の良き友人であり良き理解者でもあります。

今回のセミナーでは代替医療で行われている美容鍼についての見解を求められたのですが、鍼灸については私は全くの素人ですのでそれはちょっと無理…ということで、苦肉の策で(?)美容医療や美容鍼がその効果の根拠としている「創傷治癒」という身体の働きについて、具体的にどのようなことが肌の中で起きているのか、果たして本当に肌を若返らせたりコラーゲンを入れ替えたりしているのか、医学的にみて肌に良いものだと言えるのか、といったことをお話しました。

講演の主旨は以下の通りです。(以下講演内容)

創傷治癒というのは、身体が本来持っている傷(創傷)を修復(治癒)する仕組みのことを指します。昨今の美容医療や代替医療の美容鍼も、この創傷治癒による肌の「若返り」を謳っています。確かに症例写真などを見ると、一時的ではありますが肌の見た目の状態が改善していることは間違いありません。

が、ここで注意しなければならないのは、創傷治癒がもたらす「修復」というのは「再生」とは違うということです。

「修復」とは、壊れた部分が原因で更なる問題(細菌感染や傷口の拡大など)が起きないように早急に処理(応急手当)を行うだけなので、壊れた皮膚が元通りになるわけではありません。

一方、壊れたもの、失われたものが完全に元通りになることを「再生」と呼びますが、ヒトの皮膚では「再生」は起こりません。

皮膚を傷つければそれが元通りになることは一切なく、単に傷跡が残るだけです。傷つける前の状態よりも傷つけたあとのほうが皮膚の状態が良くなることは絶対にありません。

つまり、「しわやたるみを無くす/減らす治療」=「肌の老化を止める/遅らせる治療」とは限りませんし、巷で流行っている何らかの治療があなたにとって好ましい結果をもたらしたからといって、それが必ずしもあなたの肌と細胞にとって好ましい治療だとは限らないということです。むしろ、あなたの細胞の寿命と引き換えに一時の肌の変化を得ているに過ぎないのかもしれないのです。

あなたが受けようとしている治療が、肌に変化を出すために何を行うのか、肌に変化が出るのは何故なのか、そしてその結果、効果の裏で肌に何がもたらされている(どんな状態になっている)のか、これらを理解するために、その治療のメリットだけでなく隠されたデメリットを調査してください。美容サイトやクリニックのホームページに書いてあることを鵜呑みにせず、最低限の医学的知識を身につけてそれらを検証してください。
(ここまで)

講演の様子

1時間程度の講演でしたが、参加者のみなさんはとても真剣に聞いてくださっていました。

日本鍼灸療術医学会は、人体のことを知らずに施術を行っている治療者や作用機序の不明な治療の多い代替医療に対して、治療者に解剖学的知識を身につけてもらうための教育と治療法のエビデンスを求める活動を行っています。そのような会だけあって、勉強熱心な方が数多くいらっしゃいました。

この講演内容はカウンセリングや日々の診療でもちょくちょくお話していますので、興味のある方はいつでもご質問ください。肌再生医療と従来の美容医療とで、肌の中で起きていることの違いを理解する上でとても重要な内容です。

みなさんの肌を守ることができるのは、みなさん自身だけなのです!

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