J.YOSHIDA CLINIC

No.23若返り治療は焼畑農業と同じ
創傷治癒による肌再生の嘘

J.YOSHIDA CLINICの吉田です。

このところ、再生医療に関する新しい法律に対応するための書類作成にかなりの時間と労力を取られていましたが、ようやく目処が立ちました。この新法については、いずれ機会を改めてお話ししたいと思います。

さて、みなさんは焼畑農業というものをご存知でしょうか。森林を焼いて、その灰を養分として作物栽培を行う原始的な農業です。2~3年で養分が消費され収穫が落ちるので、また別の森林を焼いてそこで作物を作る、といったことを繰り返していきます。一度焼いた場所は10~20年ほど放置して、そこに森林が再生すれば再び焼いて畑として利用できますが、まだ草しか生えていないような、木々が育っていないうちに焼いてしまうと、土地の地力(作物を育てる能力)が失われ、作物どころか植物すら育たない死んだ土地(使い物にならない土地)になってしまいます。そのような土地は雨や風で土が流されて、やがて砂漠化してしまいます。また、もともとあまり植物が育たないような地力しかない所だと、一度焼いただけで土地が死んでしまうこともあるようです。

焼畑イメージ

焼畑の是非を問いたいわけではないので本題に入りますが、従来の美容医療はこの焼畑農業に似ています。といってもリサイクル型の正しい方法ではなく、土地を殺してしまう使い捨ての焼畑農業です。

従来の美容医療では、肌を焼く(ラジオ波、赤外線、レーザーなどによって真皮に高熱を与える行為)ことで創傷治癒という一回限りの作物栽培が行われます。肌のハリという「収穫」はあるのですが、その一度の収穫と引き換えに、細胞の死滅・老化や低品質コラーゲンへの置き換えという「地力の低下(土地の痩せ)」が生じることになります。ハリという収穫は一時的なものなので、また別の土地を焼くことでその収穫を得ようとします。結局、「効果を持続させる」という名目で半年から1年毎にこの「焼畑」を繰り返すことを、美容医療はやっているわけです。

本来の焼畑農業では数十年間放置して森林が再生するのを待ちますが、肌にはそのような再生機能はありません。このことは、怪我をしたところの傷跡がいつまでも消えることなく残っていることでおわかりいただけるでしょう。壊れた皮膚、壊した皮膚は二度と元通りにはならないのです。つまり、再生しない土地を焼いて一時的な収穫を得て、それが終われば次の土地を焼く、といったことの繰り返しになるわけで、最終的には不毛の地となっていくのです。

もちろん、畑と皮膚を全く同じに考えることはできませんが、生きた細胞によって作り上げられている皮膚を、細胞が生きていけないような温度で何度も熱することが、本当に肌の若返り治療になるのか?ということを考えれば、そういった治療法を繰り返す危険性はご理解いただけるのではないかと思います。何度も殴られ痛めつけられることで、どんどん元気になったり若返っていくような生き物はいないのです。

当院の肌再生医療を含めた全ての治療において、畑(真皮)を焼いたり壊したり毒したりしないものしか行っていないのはそういう理由からです。

  • 掲載写真について
  • “Jhum” by Prashanthns – Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons – https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jhum.jpg#/media/File:Jhum.jpg
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